2008年8月15日金曜日

デラシネの歌

 テレビをつけるとナショナリズム丸出しのオリンピックのニュースばかりで、個人的には辟易していた。自分の意識としては、日本人という意識より、郷里人>道産子>>日本人という感覚なので、北島が勝とうがハンセンが勝とうが、構わないし、二連覇した北島は、やはり強いんだなぁという感慨以上のものはなかった。でも、この年齢まで日本語のみを使い日本だけで生活して来れた幸せを再認識させてくれたのが、JMMの海外レポート・エッセイで、春具氏による「オランダ・ハーグより」の記事である。
 彼のお子さんや同僚の子供たちは、教育学の分野では"third culture kids"と呼ばれ、両親の文化圏とも異なる第三の文化圏で成長する子供たちを言うらしい。そのうちの一人、彼の友人のお子さんが、"My Imvisible"という曲でYouTubeデビューしたMarie Digbyというアーチストという話だ。ググってみると、もうレコード会社によるホームページもあるようです。私などの"mono-culture kid"には窺い知れないデビュー曲で歌われるアイデンティティの苦悩に同情する一方、マルチリンガルで、特定の文化にしがらみのない彼女らは逆にあちら側の世界に親和性が高く、かつリアルの社会でも社会ネットワーク理論上のハブたり得る存在に思えて嫉ましくも感じるのです。

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