2008年8月14日木曜日

ピロリ菌の除菌による胃ガン予防の効果

【出典】Effect of eradication of Helicobacter pylori on incidence of metachronous gastric carcinoma after endoscopic resection of early gastric cancer: an open-label, randomised controlled trial The Lancet 2008; 372:392-397
【要約】
目的:早期胃癌の内視鏡的切除後に異時性発癌に対するヘリコバクターピロリ除菌の予防効果の調査
方法:多施設非盲検無作為化比較試験。新規に診断され内視鏡的切除が予定されているか内視鏡的切除後フォロー中である早期胃癌患者544例を、 ヘリコバクターピロリ除菌治療(n=272)かコントロール(n=272)かに無作為に割り当てた。 無作為化はコンピュータで発生させた無作為化リストによって行い、症例が新たに診断されたか、切除後かで層別。 除菌群は1週間、ランソプラゾール30mgを一日二回、アモキシシリン750mgを一日二回、およびクラリスロマイシン200mg を一日二回内服。対照群は除菌以外の標準的治療。 割り当て後6、12、24、36カ月後と内視鏡学的に経過観察。 主要エンドポイントは胃の別部位の新規癌発生。解析は、Intention-To-Treat解析で行った。本試験はUMIN臨床試験登録システムにID番号000001169で登録。
結果:3 年の経過観察中、異時性胃癌は除菌群で9例、対象群で24例が新規発癌。Intention-To-Treat解析では、異時性胃癌のオッズ比は、0·353 (95% CI 0·161–0·775; p=0·009)。 除菌群での主な副作用は、下痢が19例(7%)、軟便が32例(12%)であった。
結論:早期胃癌の内視鏡的切除後のピロリ菌の除菌は、異時性胃癌の発癌予防効果がある。
【Rによる検証】
> eradication<-matrix(c(9,24,263,248),2,2)
>fisher.test(eradication)

Fisher's Exact Test for Count Data

data: eradication
p-value = 0.01089
alternative hypothesis: true odds ratio is not equal to 1
95 percent confidence interval:
0.1420147 0.8082928
sample estimates:
odds ratio
0.3542501

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