2008年10月12日日曜日

知の入力系"Liferea"


 複雑系である臨床の知は、経験が医学の言葉で語られ、それを耳学問した者がさらに自分の経験で強化し、語り継ぐという、ある意味、"Narrative based medicine"であった。その極致が、NEJMのCPC、様々なケースを臨床と病理という異なる視点から公開討論するという知の伝達。NEJMがこれをYouTubeのチャンネルで配信してくれたら面白いと思う。

 決してその知のあり方を否定するものではないのだが、1992年5月20日にJAMAに掲載された1本の総説論文は革命的であった。というのも、ベイズ理論を応用した経験の再解釈を、カーネマンがノーベル賞を受賞するのに先立って行ったのだから。その後、不定期に連載されている"The Rational Clinical Examination"が、やっと本になった。現在までに発表された70本余りの論文の中から53テーマを選び、原著論文の掲載以降に発表された知見も追加されている。


 これらの先人に肩車してもらうための道具が、"Liferea"。Gmail、RSS、podcastを一括してデスクトップに運んで来てくれる。

0 件のコメント: