2008年1月31日木曜日

TalkrでBMJとWONCAのポッドキャストを作成

 JimmyR.comのブログの投稿で"1000 Web 2.0 Sites"というのがあって、その中に"Talkr"というRSSフィードを音声に変えてくれるサービスがあった。そこで日頃チェックしている「英国医学雑誌(BMJ)」と「世界家庭医機構(WONCA)」のフィードをポッドキャストにして、amaroKで購読。
後者は、時々ポルトガル語の記事があるのだけど、英語訛りのポルトガル語ですね。

 先の"1000 Web 2.0 Sites"のなかには、Health 2.0という項目がありませんでした。けど、きちんと別の分野で"MedChecker"や"Healthline"が挙げられております。個人的には"xoova"とか"Carol”とかも画期的だと思うのですが。一方、今米国で、大手が触手を伸ばしているのが、「マイ・カルテ―私の健康記録」のネット版とも言えるPHRの分野です。Google HealthMicrosoft HealthVaultDOSSIAがしのぎを削っております。最近、「メイヨークリニックがマイクロソフト社HealthVaultを採用」というニュースもありました。
 どうでもいいけど、IT化を進めると、貧富の差の他に、ITディバイドの新しい壁を作るだけじゃないの?と、電子カルテの現状を知る私は捻くれて見ているのであります。

2008年1月30日水曜日

TiddlyWikiがDeadlyWikiに

 以前の投稿でFirefoxの拡張機能を紹介した。その最後にあったのが、TiddlyWikiと連携するTiddlySnipだ。実は、TiddlyWikiのオンライン版、TiddlySpotというのがあるということを最近知った。TiddlySnipの設定のスクリーンショットは下記のとおり。


 早速、ローカルのWikiもPbWikiもここに集めまして、オンラインのメモとして使っておりましたが、職場のWindowsXPマシンからアクセスしたら、ノートン先生の誤診で消されてしまいました…orz 自宅のubuntuマシンにHTMLを保存してあったのが、慰めです。私個人も、不安(Fear)、不確実(Uncertainty)、不信(Doubt)を煽って通院を強要し、誤診で致命傷を与える医者よりも、常に慰めを与えられる医者でありたいものです、古の先達の言葉、"Guérir quelquefois, soulager souvent, consoler toujours"(ときに癒し、しばしば和らげ、つねに慰む)を胸に刻んで。

2008年1月29日火曜日

ubuntuでテキスト解析: AntConc


 「私」とか「死」とかの単語を多く使う詩人は、自ら死人となってしまうことが多いらしい。
Word Use in the Poetry of Suicidal and Nonsuicidal Poets Psychosomatic Medicine 63:517-522 (2001)
 面白そうな内容なので自分でも検討してみたくなり、Linux対応のテキスト解析のソフトを探していたら、ローレンス・アンソニーさんのホームページを見つけました。Softwareのコーナーに行って、最新版のAntConc3.2.0uをダウンロードして、ファイルのパーミション変更のための呪文"chmod a+rwx antconc3.2.03"を端末から打ち込んで、 "./antconc3.2.0u"で起動。
 素材は、ビル・ゲイツのハーバード大学での卒業記念講演スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業記念講演。その結果…
        "I" "death"   単語総数
Bill Gates  58  1      3,088
Steve Jobs  93  5      2,277
どう解釈すべきか、確かにゲイツは厚顔無恥で、ジョブズは詩人肌って感じはするが…

2008年1月28日月曜日

Rで腎機能を推定

 日本腎臓学会編「CKD診療ガイド」に年齢とクレアチニン値、性別から腎臓の働きを推定する式が出ております。ここでの腎臓の働きは専門的には「糸球体濾過量」(GFR)と呼ぶものです。この GFR の推算式は酵素法の Cr 測定法による米国で考案された新しい簡易 MDRD 法に基づき(Levey A,et al. Ann Intern Med. 2006;145:247-254.)、さらに日本腎臓学会慢性腎臓病対策委員会疫学ワーキンググループで導き出した日本人の補正係数 0.741 をかけたものです。(Clinical Exp Nephrol 11,41,2007)。実際の式は下記のとおりで、
推定GFR =0.741×175×(クレアチニン値)^-1.154×(年齢)^-0.203
女性の場合、さらに0.742を掛けます。
 これをRで計算するプログラムを書いてみましょう。Rでプログラムを書くということは、関数を作ることです。関数は以下の書式で書かれます。
関数名<-function(引数1,引数2,引数3,...引数m){ 式1 式2 式3 ... 式n }
関数名をeGFR、クレアチニン値をc、年齢をa、男性の推定値をm、推定値のベクトルをestとすると、
eGFR<-function(c,a){
m<-0.741*175*c^-1.154*a^-0.203
est<-c(m,m*0.742)
est
}
となります。
 例えば、eGFR(0.92,42)で実行した結果は次のとおりです。ちなみにRという名称は、ネットで情報を探すときは苦労しますが、端末で立ち上げるときは、楽ちんです。Alt +F2で「アプリケーションの実行」からRと打てばいいだけですから。ただ、コピーは、Shift + Ctrl + C、ペーストは、Shift + Ctrl + Vになっていますから要注意です。


 次は、男性の推定値を計算する関数を作って、診療ガイドの裏表紙にあるような早見表を作ってみましょう。こういう早見表って、専門病棟でない限り、必要な時にないものです。
mGFR<-function(c,a){
m<-0.741*175*c^-1.154*a^-0.203
}
c<-seq(from=0.6,to=4.0,by=0.1)
names(c)<-c
a<-seq(from=20,to=85,by=5)
names(a)<-a
outer(c,a,FUN="mGFR")
 どうでしょう?細かい所はともかく何となく何をしているか想像がつきませんか?R言語のいいところですね。seqとかouterとかnamesとか、分からない関数が出てきたときは、help(seq)とか、?seqでヘルプ画面が表示されます。と言って解説を端折る…ヘルプ画面を去るときは、qです。まだまだ私も電卓の延長としての使い方しかできませんが、下の本をじっくり読んで精進していきます。

2008年1月25日金曜日

ubuntuで囲碁: GNU Go + Quarry

 囲碁の練習にと、システム→システム管理→Synapticパッケージ・マネージャから検索ボタンで、囲碁エンジンの"GnuGo"をインストールした。しかし、端末から起動して、ASCIIの碁盤では、味気ないので、アプリケーション→追加と削除…からGUIインターフェイスを探し"Quarry"というのを見付け、試してみた。もちろん、端末から"sudo apt-get install gnugo quarry"とコマンドを打ち込んでも、OKだ。
 "Quarry"は、ちょっとした初期設定が必要だ。設定画面でGTP Enginesから追加ボタンを押して、Command lineに"gnugo --mode gtp --quiet"と入力し、OKボタンを押す。GTPというのは、Go Text Protocolという"GnuGo"が実装するプロトコルのことらしい。


"Kogo's Joseki Dictionary"を読み込んで定石の勉強ってこともできるようです。

2008年1月20日日曜日

パン屋の1ダースのFirefox拡張機能

 ブラウザのシェア競争で世界で20%を獲得したといわれる"Firefox"、インストールしている拡張機能を書き出してみたら、ちょうど「パン屋の1ダース」分ありました。
  1. Autohide: タブやナビバーも消して、コンテンツのみの全画面表示を可能にしてくれる拡張機能。Google Docsと組み合わせて使うと、ブラウザでのプレゼンテーションが可能になったり、ワープロの編集画面が広くなったりという利点がある。

  2. Better Gmail2: Gmailの使い勝手を改善する拡張機能。

  3. del.icio.us Bookmarks: ブックマーク共有の老舗"del.icio.us"と連携する拡張機能。

  4. East Asian Translator: 中国語や韓国語のページや選択範囲を日本語に訳してくれる拡張機能。韓国版Medlineの"KoreaMed"で検索した文献の概要を理解するのに重宝する。

  5. Extension List Dumper: この投稿のように自分の環境の拡張機能のリストを書き出すための拡張機能。

  6. Google Toolbar for Firefox: Googleが提供するツールバー。

  7. Greasemonkey: サイト製作者の意図するページのデザインをユーザー側でスクリプトを作って変更出きるようにした拡張機能。

  8. OpenSearchFox: 自分の好きなサイトのサーチボックスをブラウザの検索エンジンに追加できるようになります。よく使うのは、"PubMed"、「医療用医薬品の添付文書情報」。Flashを利用しているせいでしょうか、"AUDIO TUBE"での検索が使えないのは残念!!!

  9. PubConn: オンラインの文献管理ツール"Connotea"とPubmedを連携させる拡張機能。この存在が、"citeulike"からの移行を決心させました。

  10. Remember The Milk for Gmail: オンラインのタスク管理ツール"Remember The Milk"とGmailを連携させる拡張機能。実際には、QuoVadisの手帳"Habana"を購入して使用頻度は下がりましたが…

  11. RSiteSearch: 統計環境RのリファレンスをサイドバーRに表示します。"Rweb"にアクセスしてこの拡張機能を使えば、Firefoxが統計解析ソフトに早変わり。

  12. Sage: BloglinesGoogleReader以前に使用していたRSSリーダー。今も、GoogleReaderからOPMLファイルをインポートして時々使っています。

  13. TiddlySnip: JavaScriptを使い、1つのHTMLでWikiを可能にする"TiddlyWiki"と連携するための拡張機能。
 本来なら一つ一つの拡張機能がネタになり得るものですが、とりあえずの紹介まで。必須のものを1つだけ挙げるとすれば、やはりOpenSearchFoxでしょうか。使い方が、Mozilla Japan製作のビデオ広告でも紹介されています。


 拡張機能を追加するだけで、ワープロに、プレゼンソフトに、翻訳ソフトに、統計解析ソフトになるブラウザ、"Firefox"をデフォルトのブラウザにしていることも"ubuntu"人気の追い風になっているのでしょう。思えば、私がOpenSource信者になったのも、"Mozilla Firefox"(旧称Phoenix)のドラマティックなシェア奪還劇がきっかけです。

2008年1月19日土曜日

OpenPffice.org Presentationで作る壁紙


 Google Readerは、キーボードショートカットが備えられており、マウス操作なしにスピーディーな記事のチェックができます。しかし、頻繁に使用するもの以外は、なかなか覚えられないのも事実。そんなときは"?"をタイプすると、背景が透けた黒のヘルプが現れます。それを壁紙にしてみたのが、上記画像です。
 どうやって作ったかというと、PrtScrボタンでデスクトップをキャプチャして、Gimpで開き、ヘルプの部分を切り取って、OpenOffice.org Presentationに貼り付け、スライドショーを実施、再度PrtScrを行いました。その昔、よく暗記物なんかは紙に書いて壁に貼ったりしましたが、最近は記憶力が落ちると同時に、そんな真摯な努力をしなくなったような気がします。その反省から、OpenOffice.org PresentationのスライドショーとPrtScrで手軽にデスクトップを暗記帳にという思いつきです。

2008年1月18日金曜日

amaroKで医学雑誌を聴く


 カナダ医学学会誌(CMAJ)の編集長を解雇されたDr. John Hoeyらは、オンラインで"Open Medicine"という雑誌を立ち上げました。"PLOS Medicine"に続く快挙です。一方、伝統的な医学雑誌はと言えば、Imact Factorの高い上位5誌を挙げて見ると、下記のとおり。
  1. The New England Journal of Medicine: [HP] [RSS] [Podcast]
  2. British Medical Journal: [HP] [RSS]
  3. The Lancet: [HP] [RSS] [Podcast]
  4. The Journal of the American Medical Association: [HP] [RSS] [Podcast]
  5. Annals of Internal Medicine: [HP] [RSS] [Podcast: English, Chinese]
 BMJ以外はPodcastに対応し、Ann Int Medなどは中国語のPodcastまで配信しております。フリーである程度の内容を公開するOpennessがないと一流雑誌も生き残れない時代になってきている証左でありましょう。これらのPodcastを聴くのは、オンラインではGoogle Readerでも可能ですが、iPodなどの連携を考えると、iTunesに匹敵するamaroKRhythmboxなどの万能プレーヤが便利です。

2008年1月17日木曜日

統計環境RとそのGUIのJGRのインストール


 統計環境Rは、本来端末上でCUIで使用するソフトだが、いくつかのGUIがある。その中の一つ、JAVAベースの統計環境RのGUI、JGRの開発者のサイトにubuntuへのインストール方法が記述されていたので、それを参考に自分の環境にあわせて、多少改変、メモしておく。
 まず、Rをインストールする。筑波大学ミラーのリポジトリを追加する。システム→システム管理→Synaptics パッケージマネージャを開き、設定→リポジトリで、「サードパーティのソフトウェア」のタブを選んで、「+Add」で出てくる画面の「APT line:」の所に、下記をcopy&pasteする。
deb http://cran.md.tsukuba.ac.jp/bin/linux/ubuntu gutsy/
下記を端末から入力し、公開鍵を追加する。
gpg --keyserver subkeys.pgp.net --recv-key E2A11821
gpg -a --export E2A11821 | sudo apt-key add -
同じく端末から下記を入力し、Rのインストール
sudo apt-get update
sudo apt-get install r-base-dev r-recommended
次に、JDK6をインストールし、他のバージョンが入っている場合にはデフォルトに設定し、Rで利用できるようにする。
sudo apt-get install sun-java6-jdk
sudo update-java-alternatives -s java-1.6.0-sun
sudo R CMD javareconf
最後にJGRをインストールする。
sudo R
Rが起動したら、
install.packages('JGR')
library(JGR)
JGR()
JGRの使用法については、おいおいと。

2008年1月13日日曜日

"Scribd"でubuntu情報

 百式で紹介されていた文書共有サイト"Scribd"、YouTubeの文書版のサービスでワード形式やPDF形式でアップロードした文書がフラッシュ形式で公開されるというもの。今後、論文の発表や出版ということの概念を変えてくれそうな予感がします。ちなみに、"ubuntu"で検索すると、300弱の文書がヒットしたが、日本語のものは、まだみたいですね。

2008年1月10日木曜日

「遊び心」の伝統

 その昔、時々爆弾の出るMacを使っていた頃、固まっても許せたのは、その「遊び心」所以だったような気がします。Windowsにしてから、訳の分からないコメントを伴ったアラートが出てフリーズされると、いらついたものです。その辺は、患者さんとのコミュニケーションでも気を付けたいものです。
 その「遊び心」の伝統が、ubuntuにも引き継がれています。"AstralSin’s Blog"によると、端末から、
aptitude -v moo
とか
aptitude moo
とか入力してみると分かります。
 さらには、alt + F2 で「アプリケーションの実行」を立ち上げ、“gegls from outer space”と入力し、実行すると、ゲームができますよ。
 私の一番のお気に入りは、システム→システム管理→Synapticパッケージ・マネージャから"amor"を検索して、"a KDE creature for your desktop"と説明のあるソフトです。インストール後は、端末から、"amor"で起動します。とぼけたスマイリーが現れますが、マスコットを右クリックして"Configure..."を選択すると、他のマスコットを選べます。私の場合は、デスクトップで"NEKO"を飼っています。ちょっとした癒しですね。
 AMORというのは、"Amusing Misuse Of Resources"の略だそうですが、ラテン語では、「愛」という意味もあります。なかなか、含蓄のあるユーモアだと思いませんか?

2008年1月8日火曜日

2008年1月6日日曜日

私がubuntuを使い続ける10の理由

 私が、"ubuntu"を使い始めたのが、ちょうど約一年前の2月6日である。発端は、XPが起動しなくなったこと。自分のPCで動くかどうかも分からないVistaを買うのも癪で、Appleの新しいOS"Leopard"が出るまでの繋ぎのつもりで、インストールしたのがきっかけであった。しかし、新しいMacOS Xが出た今となっても、"ubuntu"を使い続けている。その屁理屈を10個列挙して見たい。
  1. 初回も、バージョンアップの時のインストールもWindowsよりはるかに簡単。
  2. シェアが少ないせいもあるのだろうが、ウイルスなどに対する安全性が高い。
  3. WindowsやMacと変わらず、GUIで一通りのことが出来る
  4. オフィスソフトや統計解析ソフトに限らず、無数のソフトが無料で手に入る。
  5. 困ったことがあっても、ネットを検索すれば、たいていのことは解決する。
  6. オープンソースの思想が、医療が目指すべき倫理の正義原則に則していること。
  7. オープンソースソフトを使用することで、一定の企業と利害の衝突が生じない。
  8. "ubuntu"の命名の由来が、"umuntu ngumuntu ngabantu"「人は、人々を通して、人である」という家庭医療の基本的な考えにも通ずるズールー語の箴言を含意していること。
  9. インターネットの普及によってパソコンが、「OS + アプリケーション」から、「ブラウザ + ネット上のサービス」になりつつあり、OSの違いによる不便が減ってきたこと。
  10. まとめると、「多くのリソース÷無料=∞のコストパフォーマンス」ってこと。